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リライアンス、企業のデータ規制遵守を支援するために3,200万ドルを獲得

  • 執筆者の写真: T. Abe
    T. Abe
  • 2024年10月21日
  • 読了時間: 4分

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AI の需要が急増する中、データの扱い方とそのセキュリティは、テクノロジー企業にとってますます大きな課題となっている。特に、企業が AI の導入を進める際には、データ プライバシーやガバナンスに関連する規制への対応が求められる。その中で注目を集めているのが Relyance AI だ。このスタートアップは、企業が AI を導入する際に直面するデータセキュリティの課題を解決することを目指し、Abhi Sharma 氏と Leila Golchehreh 氏によって設立された。


設立のきっかけは意外なほどカジュアルだった。彼らがピザを食べながら話をしていたとき、Sharma 氏は「我々がデータの取り扱いをもっと透明化できれば、企業はより自信を持って AI を導入できるのではないか?」というアイデアを思いついたという。それは、彼らのそれぞれのキャリアにおける経験から生まれた洞察でもあった。Golchehreh 氏は以前、Workday や自動運転のスタートアップ Cruise で上級顧問を務めており、データ プライバシーの法的観点に精通していた。一方、Sharma 氏はエンジニアとして、特に Johnson Controls に買収された FogHorn での経験から、AI と IoT(モノのインターネット)におけるデータ管理の課題を知り尽くしていた。


彼らの作り上げたプラットフォーム、Relyance は、組織が保有するデータの流れと使用状況を「可視化」することに特化している。データの管理や追跡において企業が抱える課題は多く、その中で大きな懸念材料となるのが「データの透明性」だ。Relyance は、データ インベントリとデータ マッピングを組み合わせ、顧客契約やグローバル プライバシー規制に基づいて、どのデータがどのように利用されているかをリアルタイムでモニタリングする。


同様のソリューションを提供する競合はすでに存在する。たとえば、OneTrust や Transcend、DataGrail などの企業は、どれもデータ プライバシーとコンプライアンスの分野で確立されたプレイヤーだ。しかし、Relyance のアプローチは、組織内外のデータ フローの包括的な可視化と、それに対するポリシー適合性の自動検証に特化している点で独自性を持っている。Sharma 氏によれば、Relyance は「サードパーティ アプリやクラウド環境、AI モデル、コード リポジトリを含む複数のデータ ソースをスキャンし、それが社内外のポリシーに合致しているかどうかをチェックする」ことに焦点を当てているという。


このソリューションが特に強力なのは、企業がデータに対して持つリスクをリアルタイムで評価し、外部ベンダーを含めたデータ流通経路全体を視覚的に把握できるところだ。データの透明性を向上させ、企業が予期しない法的問題に巻き込まれるリスクを軽減できる。


その成果は、顧客基盤の拡大にも表れている。Relyance の顧客数は、わずか半年間で30%増加し、Coinbase、Snowflake、MyFitnessPal、Plaid といった企業が新たにその名を連ねている。同社の年間経常収益(ARR)はすでに倍増し、成長のスピードは依然として加速中だ。


成長をさらに後押しするために、Relyance は今月、Microsoft のベンチャーファンド M12、Menlo Ventures、Socii、Unusual Ventures から 3,200 万ドルの資金調達を完了した。このシリーズ B ラウンドにより、同社の総調達額は 5,900 万ドルとなった。新たな資金は、特にエンジニアリングチームの拡大と、製品開発のさらなるスピードアップに充てられる。Sharma 氏によれば、今年中にチームを 90 名体制に拡充する予定だという。


データの取り扱いにおける規制強化は世界的な潮流であり、特に EU データ法のような新しい規制は、企業のガバナンス戦略に直接的な影響を及ぼしている。その中で、Relyance のようなツールが提供する「データの透明性」は、単なる規制対応にとどまらず、企業がリスクを管理しつつ AI の導入を加速するための新しい基盤となる。


Relyance が直面している課題は決して小さくないが、彼らの技術とリーダーシップは、AI とプライバシーの交差点で確固たる地位を築きつつある。データ管理の未来を形作るスタートアップとして、彼らの歩みは今後も注目されるだろう。


 
 
 

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