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執筆者の写真T. Abe

Alpha Partners、プロラタ投資のための第3ファンド1億5,300万ドルを調達

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スティーブ・ブロトマンが2014年に設立したAlpha Partnersは、初期段階のベンチャーキャピタル(VC)と共に、有望なスタートアップ企業が後期の資金調達ラウンドに進む際に投資を行い、所有権を維持するという、当時としては新しいアプローチを掲げた。最初のファンドはわずか1000万ドルと小規模だったが、スタートアップが長期間非公開企業として活動する時代において、Alpha Partnersの手法は徐々に支持を集めた。


特に、スタートアップの株式を長期的に維持するために、VC業界はさまざまな仕組みを取り入れ始めた。例えば、多くのVCは、最も有望な投資案件に集中するための「オポチュニティファンド」を設立し、複数の投資家が資金をプールして特定の企業に投資する「特別目的会社(SPV)」に依存するようになった。こうした中で、Alpha Partnersの戦略も一定の人気を得ている。


2023年、Alpha Partnersは1億5300万ドルの第3ファンドを発表した。これは、2017年にクローズした5200万ドルの第2ファンドと比べて約3倍の規模だ。ブロトマン氏はTechCrunchに対し、この資金調達が「過酷な苦行」であったとしつつも、Alpha Partnersのシード段階のVCを支援する戦略が今後も重要であることを強調した。


Alpha Partnersの役割は、初期段階のVCが持つプロラタ権(既存の所有権割合を維持する権利)を行使する際に共に投資を行う点にある。これにより、初期段階のVCは有望なスタートアップの後期ラウンドにも参加し続けることができる。一方で、オポチュニティファンドの人気は下がり、SPVに頼った投資家の中には失敗を経験するケースも見られた。そのため、ブロトマン氏はAlpha Partnersが「安全な投資先」であると自負している。


Alpha Partnersの投資基準はシンプルだ。主にシリーズB以降の後期ラウンドにおいて、500万ドルから1000万ドルの投資を行うことが一般的である。ブロトマン氏は、決断にかかる時間は1〜2週間と短く、投資基準も明確だと述べている。同社は、売上高が1000万ドルを超え、年間50%の成長を遂げている企業を好んでおり、特にその分野でリーダー的な存在であることが重要視される。投資対象となる企業には、クロスカット・ベンチャーズと共同で支援したPearlや、Shield AI、Rad AIなどがある。


過去の成功事例としては、CourseraやRover、UdemyなどのIPOが挙げられるが、特に注目されたのはCoupangへのシリーズGおよびシリーズFラウンドでの投資だ。Alpha Partnersはこの投資で約20倍のリターンを得ており、これが同社の名声を確立するきっかけとなった。


現在、後期段階の投資案件は減少しているが、ブロトマン氏はAlpha Partnersの投資戦略が依然として有効であると確信している。彼は「ベンチャーキャピタルは資産クラスではなく、アクセスクラスだ」と述べ、Alpha Partnersがリミテッドパートナー(LP)に上位1%の取引へのアクセスを提供している点を強調している。


このように、Alpha Partnersの戦略は、今後も成長し続けるスタートアップ市場において、VC業界に新たな視点と機会を提供するものであり、特に初期段階のVCにとっては重要なパートナーとなるだろう。

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