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執筆者の写真T. Abe

Meta AI、ブラジルや英国を含む6カ国でサービス開始

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Metaは、グローバル展開を加速させており、最新の動きとしてAIチャットボット「Meta AI」を6つの新しい国々に導入すると発表した。この拡大には、ブラジル、英国、フィリピン、ボリビア、グアテマラ、パラグアイが含まれており、これによりMeta AIの利用可能国は43カ国にまで広がる。


ザッカーバーグ氏は、自身のWhatsAppチャンネルでこの発表を行い、さらに中東を含む他の地域でも段階的に導入していくと述べている。今後の展開予定地には、アルジェリア、エジプト、インドネシア、イラク、ヨルダン、リビア、マレーシア、モロッコ、サウジアラビア、スーダン、タイ、チュニジア、アラブ首長国連邦、ベトナム、イエメンなどが含まれるという。また、Meta AIはこのサイクルが完了する頃には、アラビア語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語などの言語もサポートする予定だ。


現時点で、Meta AIはFacebook、Instagram、WhatsApp、Messenger、さらにはMeta.aiの公式ウェブサイト上で利用でき、主要なプラットフォームを網羅する形となっている。


興味深いのは、このAIアシスタントの急速な普及スピードだ。先月開催されたMeta Connectイベントでザッカーバーグ氏は、既に世界で約5億人がMeta AIを利用していることを明らかにしており、2024年末までには世界で最も利用されるAIアシスタントになる見込みだと述べている。この成長を後押ししているのは、特にWhatsAppの存在だ。インドでは5億人以上のユーザーを抱えており、これがMeta AIの最大市場となっている。MetaのCFO、スーザン・リー氏も第2四半期の決算説明会で、インドの存在がグローバル戦略において重要であることを強調している。


また、Meta AIは新機能の追加にも積極的だ。同社は、Meta Connectイベントで有名人の声やリップシンク機能を使った翻訳機能を発表した。これにより、ユーザーがよりリアルな体験を享受できるだけでなく、特定の声を選んでパーソナライズされたやりとりを楽しむことも可能になっている。さらに、生成AIを活用した「Imagine」機能をFacebook、Instagram、Messengerにも拡張しており、ユーザーがテキストプロンプトを使って写真を生成することもできるようになった。


特に興味深いのは、Meta AIの画像認識能力だ。ユーザーがアップロードした写真を理解し、その内容に基づいて質問に答えたり、編集したりすることができる。これにより、AIアシスタントが単なる対話ツールに留まらず、より高度な画像処理とインタラクションを提供できるようになった。


今回の発表は、Metaが単なるSNS企業から、AI技術を全面に押し出したテック企業への移行を目指していることを改めて示している。これまでのSNSプラットフォーム上でのサービス提供から、AIを中心に据えた新たなユーザーエクスペリエンスを提供する方向にシフトしつつある。この動きが、どのように同社の事業全体を変革していくか、また競合他社にどのような影響を与えるかは今後の注目ポイントだ。


今回のグローバル展開は、AI技術が国や文化の壁を越えて普及する兆しとも言える。Metaが、各地域のニーズに応じたカスタマイズやローカライズをどこまで成功させるかが、今後の鍵となるだろう。特に、アラビア語圏や東南アジア地域での展開がどのような結果をもたらすかは、同社のグローバル戦略の成否を占う上で重要な指標となるはずだ。


そのため、Metaは単に拠点を増やすだけでなく、言語対応や文化的な適応も同時に行う必要がある。アジア太平洋地域への進出を指揮するオリバー・ジェイ氏の役割は、こうした戦略の成否を左右する重要なポジションといえる。ジェイ氏は、これまでDropboxやAsanaでの経験を通じて国際展開における実績を積んでおり、今後のアジア市場への進出の成否が彼の手腕にかかっていることは間違いない。


Metaはまた、シンガポールにアジアで2つ目のオフィスを設立する計画を発表しており、これによりAPAC(アジア太平洋)地域全体でのプレゼンスを一層強化する狙いがある。シンガポールは、アジア市場における技術ハブとしての地位を確立しており、ここを拠点に同社のAI技術を普及させていくことを目指している。


総じて、MetaのAI戦略は非常に積極的かつ大胆であり、他のテック企業との競争を一段と激化させる可能性がある。特に、GoogleやAmazonなどの既存プレイヤーがどのように対抗するか、また同様のサービスを提供する新興企業がどのように差別化を図るかが、今後の焦点となりそうだ。

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