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執筆者の写真T. Abe

"Emotion AI"はビジネスソフトウェアの次のトレンドになるかもしれないが、それが問題を引き起こす可能性もある




"Emotion AI" は、企業がAIを取り入れる中で次のトレンドになる可能性があると、PitchBookの新しいエンタープライズSaaSエマージングテクノロジーリサーチレポートで指摘されている。しかし、この技術が新たな問題を生む可能性もあると、同レポートのエマージングテクノロジーシニアアナリストであるDerek Hernandezは述べている。

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企業がAIをあらゆる場所に取り入れようとする中で、予期せぬトレンドとして「Emotion AI」が浮上している。これは、PitchBookの新しいエンタープライズSaaSエマージングテクノロジーリサーチレポートによると、今後のビジネスソフトウェアのトレンドになる可能性がある技術だ。しかし、これが問題を引き起こす可能性もある。


Emotion AIのコンセプトはこうだ:もし企業がAIアシスタントを幹部や従業員に配備し、AIチャットボットを営業やカスタマーサービスの最前線に配置するなら、AIが「それどういう意味?」という怒りの声と、困惑した声の区別がつかないと、仕事がうまくいかないのではないか、というもの。


Emotion AIは、ソーシャルメディアのテキストベースのやり取りから感情を抽出しようとする従来の「感情分析」の、より高度なバージョンだとされている。感情AIはマルチモーダルであり、視覚や音声などのセンサーを活用し、機械学習や心理学を組み合わせて、対話中に人間の感情を検出しようとする。


主要なAIクラウドプロバイダーは、開発者がEmotion AI機能にアクセスできるサービスを提供している。例えば、Microsoft AzureのCognitive ServicesのEmotion APIや、Amazon Web ServicesのRekognitionなどだ(後者は過去にいくつかの論争があった)。


Emotion AIは、クラウドサービスとして提供される点では目新しいものではないが、突然のボットの増加が、ビジネス界での感情AIの将来性をより確実なものにしているとPitchBookは予測している。


PitchBookのエマージングテクノロジーシニアアナリスト、Derek Hernandezはレポートでこう述べている。「AIアシスタントや完全に自動化された人間と機械のやり取りが増える中で、Emotion AIはより人間らしい解釈や応答を可能にすることが期待されている。」


Emotion AIのハードウェア側では、カメラやマイクが重要な役割を果たす。これらはノートパソコンやスマートフォンに搭載されるほか、物理的な空間に独立して配置されることも考えられる。また、ウェアラブルハードウェアも、これらのデバイス以外でEmotion AIを活用するもう一つの手段になるだろうとHernandezはTechCrunchに語っている。(そのため、カスタマーサービスのチャットボットがカメラのアクセスを求めてくることがあるかもしれない。)


これを踏まえて、いくつかのスタートアップがこの分野に進出している。例えば、Uniphore(総額6億1000万ドルを調達、2022年にはNEA主導で4億ドルを調達)や、MorphCast、Voicesense、Superceed、Siena AI、audEERING、Opsisなどが、PitchBookの推定によれば、それぞれVCから適度な資金を調達している。


もちろん、Emotion AIは非常にシリコンバレー的なアプローチだ:テクノロジーで人間に問題を引き起こしておいて、さらにテクノロジーでその問題を解決しようとする。しかし、たとえ多くのAIボットが最終的に何らかの自動化された共感能力を獲得したとしても、それが本当に機能するとは限らない。


実際、シリコンバレーでEmotion AIが注目された最後の時期、2019年頃には、AI/ML分野がまだコンピュータビジョンに焦点を当てていた時代だったが、研究者たちはこのアイデアに異議を唱えた。その年、研究者たちはメタレビューを発表し、人間の感情は顔の動きだけでは判別できないと結論づけた。つまり、AIに人間の感情を検出させるために、他の人間が感情を読み取る方法(顔の表情やボディランゲージ、声のトーンなど)を模倣させるという考えは、根本的に誤った仮定に基づいている可能性がある。


さらに、欧州連合のAI法のようなAI規制が、教育などの特定の用途におけるコンピュータビジョン感情検出システムを禁止しているため、このアイデアが芽を摘まれる可能性もある。(イリノイ州のBIPAのような州法も、許可なしに生体情報の収集を禁止している。)


これらは、シリコンバレーが現在狂ったように構築しているAIが至る所に存在する未来への広範な洞察を与える。これらのAIボットは、顧客サービス、営業、人事など、人間が彼らに任せたいと考えている仕事を行うために感情理解を試みるか、もしくはその能力が本当に必要なタスクではあまり役に立たないかのどちらかだろう。Siriが2023年時点でのレベルのボットでオフィスライフが満たされるのか、それとも会議中に皆の感情をリアルタイムで推測する管理義務のあるボットが登場するのか、そのどちらが悪いのかは誰もが判断するところだ。



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